予防的手術(避妊・去勢)

不妊手術(避妊、去勢)を受けている犬は、そうでない犬よりも寿命が長かった。

J Am Anim Hosp Assoc.  May/Jun 2019;55(3):130-137.

何が寿命に関連するかを調べるために、約237万頭の犬を調査した研究が発表されております。
あくまで数多くある研究の中の一つであり、この結果が全て真実とは限りませんが、一般的に元になるデータが大きければ、
その研究の結果も信頼度が増すと言われているため、調査頭数が237万頭であるこの研究もかなり参考になるかと思います。

ただし一度手術をしてしまうと二度と子供を作ることができません。
家族の一員であるわんちゃん・ねこちゃんをどのように育てて暮らしていくかをふまえたうえで、
慎重に検討し、不妊手術するかどうか選択することが大事だと思います。

また、当院では半導体レーザーを用いて、極力生体内に糸を残さないように、
より迅速かつ安全な手術を心がけております。


去勢手術

当院では精巣の摘出を実施します。手術を行うことでマーキング行動や攻撃性を抑制し、
性ホルモンに関連した病気の発症リスクを減らす事ができます。
但し、体重増加や一部で尿失禁のリスクがわずかにあります。

会陰ヘルニア前立腺肥大肛門周囲腺腫精巣腫瘍など発症を予防

避妊手術

当院では卵巣と子宮の摘出を実施します。手術を行うことで発情による行動変化やマーキング行動を抑え
性ホルモンに関連した病気の発症リスクを減らす事ができます。
特に乳腺腫瘍の発生率について、犬では2回目発情以降の避妊で4頭に1頭が発症するとされているのに対して、
初回発情前に避妊すると200頭に1頭、初回発情後でも2回目発情前に避妊すると10頭に1頭に減らせる事が報告されています。
猫でも1歳以下で避妊手術することで乳腺腫瘍の発生率をおよそ85〜90%に減らす事ができます。
また、猫の乳腺腫瘍の99%は悪性である可能性が高いため、より予防手術の重要性が高まります。
但し、体重増加や一部で尿失禁のリスクがわずかにあります。

乳腺腫瘍、卵巣・子宮疾患(卵巣腫瘍、子宮腫瘍、膣腫瘍、子宮蓄膿症など)の発症を予防